理系大学院生の機材れびゅー

音楽とギターとガジェットをこよなく愛する理系大学院生のブログです

理系大学院生にとっての就活とは 2

こんにちは。機材レビューです。

私の就活に置ける失敗談をサクッと一回で語って終わりにしようと思っていたのに、思ったより書くことが多く第二弾になってしまいました。

今日は前回の続きから。就職を先送りにするために大学院に進学したのに、思ったよりもすぐに就活が始まったところから再開です。

何がいけなかったのか ~就活開始編~

学部生時点で覚悟が決まらなかったことから「大学院への進学」という逃げの一手を取った私でしたが、大学院に編入して最初の夏休みには結局就活の波に襲われることになります。

学部生時代には「十分に準備ができていない。大学院に進学することで時間を確保できるはず」と言い訳していたのにも関わらず、蓋を開けてみれば結局状況は変わりません。

当然です。自覚的に準備をしていないのですから。周りに合わせてなんとなく無難な選択だけを選んで生き、既定ルートに乗り、自覚的に物事を決定してこなかった私にとって、 誰も助けてくれない、自分で決めて自分で責任を取らなければいけない、そして何よりそれぞれ別の選択をとるのが当たり前の就活は未知の体験でした。

この時点でそのことにきちんと向き合っていればよかったのです。しかし、当時は就活のそういった性質に気づいていながらも対応せず目を背けていたのでした。 なぜなのか。ただ怠惰だったということもありますが、ここで出てくるのはやっぱり先延ばし癖です。

自分で選択肢を選んで未来を狭めていくことへの純粋な恐怖 や 手をつけるタイミングを遅らせるとこで選択肢を狭めたいという無意識的な欲求

自覚・自主的に準備をしないことで、時間(タイムリミット)に選択してもらおうとしているとも言い換えられそうです。

さて、話を戻すと、大学院から研究室を変えたこともあって0から始める研究生活では新しいことがいろいろあり時間があっという間に過ぎていきました。 講義がなくなる夏シーズンを研究に費やし、後期が始まります。久しぶりの講義で同期と顔を合わせると口を揃えて「どこのインターンに参加した」「早期選考のフローが始まった」「資格試験の勉強が大変」など就活に真面目に取り組んでいる様子でした。さすがの私でものこの状況に危機感は覚えました。自分だけ話題がないのですから。この時も「全然何もやってなかったわ〜」とヘラヘラ友人たちに話しましたが、彼らは「まぁ、大丈夫じゃない?」と声をかけてくれました。当然です。彼らには私の将来を本気で考える義理はないのですから。

さて、焦り出した私はこの時点から参加できるインターンなどを探し始めます。 かろうじて参加できる2日間の短期インターンを見つけ、締め切り前日に滑り込みで申し込みをしました。 業界はいわゆるコンサルです。ただしコンサルとはいってもBIG4の名前を冠した分岐会社で、ろくにどんな業務内容かも調べず、「まあここであれば大丈夫でしょう」と考えての行動でした。(今になってもどんな企業だったのか曖昧なあたり、どんな準備をしてインターンに臨んだかが分かります。) 分岐会社ということもあり、特に面接などもなく(そもそもインターン選考に面接なんてあるのか?)インターンに参加できることになりました。

インターンはグループワークのワークショップ形式で架空の企業に対して業務改善の提案を行うというものでした。 詳しい内容は覚えていませんが数字を扱うようなこともなく、「新しい研修制度を導入する」「業務改善を行う」などのふわっとした結論が出るようなそこまでレベルの高くないものだったと記憶しています。 特に、二日目終盤での発表会では、スライドに書いてある内容を全部読み上げていく、制限時間を過ぎても同じペースで喋り続けるなど、参加者も特段優秀な人が集まっているわけではないようでした。 BIG4の名前を冠しているだけで本家とは全くの別物なのだなと感じました。そういう現実を知る意味ではあのインターンにも意味があったのかもしれません。 しかし、仕事に対する解像度の変化はそこまでなかったと言うのが夏から秋にかけての唯一と言っていい成果でした。

この時期にやっておくべきことだったができなかった点としては大まかに言って2点です。

  • インターンを探す中で様々な業界の情報を集め、どのような業務を行なっているのかを知る
  • インターン参加のための自己分析やES作成、面接の練習などを経験する

当時はインターンの内容自体を重視していなかったために、「本気でやらなくてもいいや」と言い訳を作ってしまっていましたが、 実のところ内容は確かに重要ではなかったと今では思います。インターンに向けた準備が、その後の本選考における活動の練習になっていたということですね。

何がいけなかったのか ~就活本格始動編~

インターンのシーズンを終え、空気が冷たくなってきた頃、講義室やサークル同期との飲み会の間で、「選考」「内々定」と言う言葉が出るようになりました。 そう、すなわち「就活本格始動」とは私のではなく、周りの就活が始動していたということです。もちろんこのずっと前から始動していたのでしょうが、公式な選考や内々定が出始めたのがこの頃と言うわけですね。

この頃には、もはや焦りというより絶望感のようなものを味わうようになっていた私はもはや「何もやってないんだよね〜」などと言うこともできず、ただ黙ってみんなの輪の中で話を聞いていることしかできませんでした。 自分が何をしたいか、この時になって少し考え始め「理系・工学系研究科に進んだ以上、メーカーに入るのかなぁ」などと思っていました。 結局ここでも既に敷いたレールの上を走ろうとする気満々で、ちがう職種について検討することすら放棄していました。 やりたいことを探すよりも、自分が走ってきた道の先でできることをやる方が簡単と言うことですね。

ともかく、研究科に来ている推薦状のリストを眺めたり、「選考」を周りの人が受けている企業について調べ始めたり、就職支援サイトに登録したりとそれらしきことを着手し始めました。もちろん時すでに遅しで、同期が行くようなハイクラスの企業(外資系企業など)はすでに選考フローが開始していたり、インターンを受けていることが半ば前提になっていたりと言う状況でした。自分が望んでいた"選択肢が限られた状況"になっていたわけですが、このとき正直かなり後悔しました。きちんとやっておけばよかったと。周りと自分との差がもう埋められないところまで来たということにようやく向き合えたのです。

そこからはできる限りのことはやろうと思い直し、限られた選択肢の中から選考の進行が比較的遅い日系企業のいくつかに応募したり、冬の短期インターンに応募したりと活動を開始しました。

冬のインターンではいわゆるJTCのメーカの工場での勤務を経験しました。海沿いの工場地帯の事業所に朝から通い、制服(作業着)を着て、作業(デスクワーク)を行う。荷物の置き場が厳密に決まっており、少しでもはみ出すと注意される。構内を移動する際には作業着のボタンはきちんと閉める。などなど、とにかく細かい規則に縛られた数日間でした。「あ、日本のメーカーで働くのは無理かもしれない」とこのとき思いました。今になって思えば、メーカーであることに起因するルールというわけではなく工場であるが故のルールだったのですが、とにかく細かいルールに縛られるような職場で働きたくないとこのとき初めて思いました。

そう、このとき初めてというのが問題で、この気づきはもっと早くにするべきだったのです。そのタイミングが、学部生時代 or M1春夏のインターンであるべきだったのです。私が実際にインターンに参加し、この事実に気づいた時にはもう冬。今更引き返すことはできません。私の就活はここから、せめてJTCではないメーカー(すなわちルールがそこまで細かくない企業)に入ろうということを軸にシフトしていくことになります。

おわりに

さて、私にとっての本当の就活がようやく始まった段階ですが、かなり長くなってきたので、ここで一旦切ることにします。

次回、最終回になると思います。ご興味あればまた覗きにきてください。